恩返しの年
2022/7/4
こんばんは
今日はぼくの誕生日です。
お陰様で29歳になりました。
いや、早すぎる笑
去年はみんなに支えてもらい、応援してもらい、そのおかげで今、ここにいます。
留学に来て以降、このことを忘れた日は1日もありません。
それほど、この留学は簡単ではなかった。
行く前も、来てからも。
今年は、その全ての人に向け、僕からのお返しをする年にしたいなと思います。
さて、ウィスラー旅行の2日目。
2泊3日の旅なので、実質ちゃんと行動できるのは中日の今日ということになります。
ですが、昨日が眠すぎたので、今日は遅めの始動になってしまいました。
ゆっくりと準備して、外へ。
あまり行くあてはなかったのですが、とりあえず、”LOST lake” という湖までバスへ。
来ること自体に無理をしている今回の旅、あまりお金に余裕がなかったので、最初は歩こうかとすら思いましたが(あるこうと思えば歩ける)、どうやら無料のバスがでておりました。
ついてみると、正直「うーん。。。」という感じ笑
今日も今日とて雨なので、晴れてるともっと気持ちよくて綺麗だったのでしょうが。
おたまじゃくしを久しぶりに見ましたね。
山なので天気が変わりやすく、雨が降ったり止んだりします。
そのまま上の方に行ってみようかと思いましたが、最初の分岐点でもうわからなくて、そうそうに断念。
いましがた来たばかりなのに、そのままの道を普通にバスで引き返してもつまらないと、復路はトレイルロードを歩いて帰りました(結局歩く)。
大きな杉があったり、川があったり。景色は見ていて飽きません。
途中追い抜いていく、マウンテンバイクが羨ましかったですね。
標識によると、ここはクマもでるみたいですよ。
前略 私はいま、、、
なんとなく、こういう何気ない景色に思い出すのは、折木奉太郎くんのお姉さんの言葉。
“きっと10年後、この毎日をことを惜しまない”
折木供恵
米澤 穂信/ 発売日:2001-10-28/出版社.: KADOKAWA
この留学を決断するにあたって、表面的にはいくつか犠牲にしたように思えるもの、瞬間がありました。
キャリア、家族・友人・パートナーとの時間、費用。。。
”海を渡る”
”留学する”
これらを夢として抱いことがある方は少なからずいると思います。
ただ、歳を重ねるごとに、犠牲にするものや支払う対価が多くなり、決断が難しくなっていくのが現実でしょう。
ぼくもそうでした。
中学、高校で抱いた夢。
「いつかできるだろう」
そう思い続けて、気づけば大学を卒業し、社会人になってしまいました。
そうして
「このままでいいのか」
という想いは抱えながら、しっかりと考える余裕のないまま、日々の仕事に忙殺され、埋没していきました。
でも、諦めきれなかった。
こっちに来てみて思いました。
最初の隔離から始まり、キャンパスに通えないこと、ワクチンの選択、ウクライナ危機、物価上昇、円安。。。
コロナ禍での留学は、かつての自分が思い描いた”理想の留学”とは全く異なるものでした。
上手くいかないことの方が多く、実際、日本の交友関係に影響をきたした面もあります。
それでも、「こなければよかった」と思ったことは意外にありません。
「犠牲にしたのではない、懸けたんだな」
今はそう思います。
大好きな「ちはやふる」での原田先生のお言葉でもあります。
”青春全部懸けても強くなれない? まつげくん 懸けてから言いなさい”
原田秀雄
ちはやふる/末次由紀 講談社 単行本2巻 第7話)
どうしても、先に確実な利益があることを確かめてから走り出したくなってしまいがちですが、無駄かどうかは懸けてみないとわからないところがありますもんね。
「英語話せるようになった?」〜悪意のない知人へ〜
「留学に行く」というと、特に社会人では
「英語話せるようになった?」
「なんかすごい体験してきた?」
というようなことを、悪意なく聞かれることはあります。(時にはやっかみとかはあるかもですね)
”そういう何か”を期待されます。(たぶん)
あたかも「この貴重な時期に行くからには、相当な何かを得て帰ってこなければ失敗である」と。
殊に、帰国後の転職活動においては、”空白の時間”に対してそういうことを聞かれるでしょうし、求められることでしょう。
「空白を作るからには、それだけの価値があったんですよね?」
これも同じことです。
オープンでありたいとは思っていながらも、私もかつては同じような好奇じみた眼差しを留学帰りのひとたちに向けていたかもしれないと思うと、少々恐ろしさと恥ずかしさを覚えます。
事実、
「”それ”が怖くて帰りたくない」
「まだ何もなしていないのに、帰るに帰れない。いつ帰って良いかわからない」
という不安を抱えている社会人留学生やワーホリの方は少なからずいると思います。
ただーーこれは私が感じたことに過ぎないですがーーこの発言は少しずれていたかもなと今なら思います。
留学で得られる”貴重な経験”というのは、異国の地で、異国の文化の中、異国の人々と、数多くの”なんてことない”をしまくった経験であることが多いのではと。
前より少し大きな声で挨拶できるようになったり
席を譲のが前より勇気がいらなくなったり
ドアをあけておいてあげたり
外国人店員への目線が変わったり
肌の色や人種・母国の捉え方が変わったり
一つひとつは日々の中のなんてことないことですが、「日本にいては知ることもなかった、なんてことのない新しさ」を積み重ねることによる、価値観の変化やほんの数センチの世界観の広がり、これこそが、僕が思う”留学に来た価値”です。
だから、冒頭の氷菓の引用句に戻りますが、
「英語話せるようになった?」「何かすごい経験してきた?」
という、悪意のない知人たちの質問への返答は、”No”もしくは、ためらいまじりの”Yes”かもしれませんが
「10年後、この毎日を後悔するか?」
という質問へは胸をはって”Absolutely not!”と答えられます。
「この日々を後悔しない」 〜なんてことない価値観〜
日本での社会人生活の中で、僕と同じように
「このままでいいのか」
という思いを毎日抱えながらが生きている方は多いでしょう。
「何かを変えようか。でもリスクが大きい」
「失敗したら戻ってこれなくなる」
「家族や友人は、会社での関係はどうする」
「動かないのが最善だ」
かつてそんな毎日を悶々と抱えておりました。
難しいですよね。
何かを背負っていたら、進むも留まるも立派な決断にちがいありません。
なにも”進む”だけが選択肢でも英断でもないので、全ての決断に敬意は払われるべきです。
でも、「何かが違う」と感じるならば、いつか動くべき決断、すべき瞬間がきっときます。
コンフォートゾーンの居心地が好きすぎるうえ、びびりすぎて、石橋を叩きまくって破壊した後に進路も退路もままならなくなるほどの僕でもそう思うのです。
そんなぼくでも、「後悔ない」と言い切れるのです。
「このままでいいのか」を場合によっては数十年抱えて生き続け、ただ一つの伝統の生き方を”ある種の美徳”として押し付けられる日本のサラリーマン社会において
”10年後も公開しないと断言できる毎日”を、1年でもわずか一週間でも送れるのなら
それは、実は払った対価は「”ある種の美徳”に沿えない」ということぐらいであり、それならば十分にお釣りがくるのではないでしょうか。
そういう美徳よりも、”積み重ねたなんてことない価値観”の方がぼくには今、愛しくおもえてますから^^
だから、社会人がキャリアを捨てて留学に来て、仮に何もたいして得られなかったとしても、「間違いだった」ということは無いと僕は思うのです。
これが、今現時点での私の価値観です。
それでも、よくも悪くも空気の読めない友人・知人が現れたら、サングラス頭にのっけたワンレンの髪を美しくかきあげながら(かつて学部の留学経験者たちがみんなこの姿で帰って来てるように思えていた)「It’s up to you(超意訳:まあ、君もいってみればわかるよ)」と心のなかで存分に海外かぶれしてやりましょう。
途方もない回り道をしましたが、僕の言いたかったことは、
「ウィスラーのこの”なんてことない景色”も、二度と見れないかもしれないけど、お金と時間かけて来れて本当によかったな」
ということです^^
ポケモントレーナーという職業
畏まった話をしすぎたので、どうでも良い話をしますと、
川沿いのトレイルロードを歩いてて思いましたが、ポケモントレーナーて大変だなって思いました。
行きたくない道も歩かなきゃいけないし、その過程で色々出くわしますからね。
草むらとか、山道とか暗い道とか通らなきゃいけないですし、普通に怖いですよね。
実際、ここを歩いている途中でスパイダーが上から降りて来て、飛び上がらんばかりのぼくでしたので、アリアドスと遭遇したりとか、ロケット団がよくスピアーに追われるシーンとかありましたけど、アレ、リアルで起こったらと思うと怖すぎます。
今更自分のかつてのトレーナーに対してのリスペクト精神が湧いてきました。
(ちなみにぼくのポケモンライフは”クリスタル”で止まっております。GBアドバンスまでいけてません)
さて、ビレッジに戻って、少し休憩。
ずっと近くで「ピッピ、ピッピ」鳴いてる鳥が可愛かったな。
疲れたので、昨日同様に早めに夜ご飯にすることに。
色々迷いましたが、結局今日も安定のハンバーガーをいただくことにしました。
偏食な私にとっては一番当たり外れが少ないですからね。
今日は行ったのは「Splitz Grill」というお店。
ここは自分でハンバーガーの具材をカスタムできます。
ハラペーニョをいれたので辛くなりましたが、美味しかったです!
始まった29歳
食事のあとはビレッジ内のお土産を少しみてから帰りました。
お風呂に入ってゆっくりと。
友人がセンスの良すぎるプレゼントをくれました!
以前回ったレコードショップで僕が欲しがってたものを覚えてくれてたようです。
大好きなブルース・スプリングスティーンのレコードをジャケットそのままにCD化したアルバムと、MCUの中でも好きな「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の作中で主人公が聴いているカセット「awesome mix」です
今年は音楽の年ですね。
そうこうしてたら、あっという間にウィスラー最後の夜です。
今日こそのんびり過ごすぞー!!
そうして、ずっと取っておいた日本一美味しいインスタントラーメン「うまかっちゃん」(ほんとに美味しい)やこっちのスーパーで買っておいたポテトチップスという体に悪そうな夜食とともに
昨年のNBAファイナル・バックスvsサンズを久々に観戦してみましたとさ。
P.S.
今回は留学の良いところばかり、書き記してしまったように見えますが、
留学や渡航先で、目も当てられない凄惨な事件などを経験して、渡航を後悔した方も中にはいらっしゃると思います。
そんな方には心から同情すると同時に、この意見では「万人の方に刺さるものではない」という私の中の前提のもと、「少しでも似たような境遇の経験者の方の励みになれば良いな」と思い綴ったということをご理解くださいませ。
全ての海を渡った勇気ある方々への慰めの報酬ぐらいに聞いてくだされば幸いです。
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